2012年10月15日月曜日

1199インプレ

パニガーレにちょこっと乗ってみる機会があったので、簡単なインプレッションです。

乗ったのは、1199panigale S 日本仕様です。
個人の感想ですから、人によって感じ方は違うと思いますよ。



ポジション

ハンドルバーの左右が広がってるのは、単に電気化で大きくなったスロットルのせいだと思ってたけど、これが案外楽ちん。ハンドルバーの左右距離が広がった分、ステアリングの入力もやりやすい。
シートも、多少高く感じるけど幅が細いので足つき性自体は悪くない。シートは、とっても硬い。お尻にはあまり優しくない。
タンクの手前側の立ち上がりがゆるやかになっていて、腹が出てきたオッサンとしては悪くないが、腹を乗せるところがないのが不満といえば不満。

右足が熱い。正確に言うと、日本仕様のクラッチ側のカバーを止めてるネジが内側の膝にあたって熱い。左足側は、サスペンションがヒコヒコ動いているのが伝わってきて、気味が悪い。
両足の問題は、ちゃんとしたカッコで乗れば多分問題ない。薄いズボンで乗ったので...

エンジン

低速のトルクが1198に比べると、やっぱり無い。というか、1198がありすぎ。1199のほうが、人間の感覚的には丁度良い。
微振動がすごく多い。あとで見たら、ハンドルバーにものすごいでかいウエイトが入っていて、奴らも一応こういったところを気にしてるんだな、と思った。

スロットルに対して、なんかギクシャクする。スロットルワイアがないので、リターンスプリングの重さをフリクションでごまかせないので重たく感じる。3モードの違いは、いまいち感じにくいけど、一番しっくり来るのはSPORTモード。そんなに色々試せなかったけど。

ハンドリング全般

とにかく良い。としか言いようがない。今までのDUCATIで必要とされていた、コーナーを曲がるために儀式みたいなものが全くいらなくて、何も考えなくてもちゃんと曲がってくれる。フロントタイヤの感触もすごくあって、コーナリング中でもラインの変更が自由自在。多少、オーバースピードで侵入しちゃった時、従来のDUCATIはどうにもならずに、ただコーナーの出口までおとなしくしておくか、思い切ってバイク立ててブレーキングして減速してからやり直すぐらいしか手がなかったけど、1199はなんでもOK。旋回中の修正もハンドルこじれば、なんとでもなる。これが、前後重量配分の見直しから来ているのだとすれば、今までのものは何だったのだろうか?としか思えない。
あと、従来ドカが苦手だった下りのタイトコーナーみたいなシチュエーションも、全く問題がない。これは、ムルティ1200からちょうことしてあったけど、ロングスイングアームによる恩恵だと思う。
ドカが苦手なのは、スイングアームが地面を押し付けてない、例えば速度が遅いとか下り坂だとか、そういう状況でスロットルを開けるとアンチスクワットが大きすぎてスロットルを開けていけない状況になる。これを解消するには、もっと速い速度でリアサスを縮めるか、予めリアの車高を下げておくか。なんでなのかといえば、近年の一般的なSSに比べてスイングアームが短いので、垂れ角の変化が大きくそれがアンチスクワットに良くない影響を与えている。
1199では、この長さが大幅に長くなったので予想通りというか、予想以上に下りでも攻められるし、開けられる。

スイングアーム長(参考)
999        490mm
1098/1198   495mm
1199          535mm
ムルティ1200  565mm

サスペンションは、割りと固めの設定だけど1198とかみたいに、バカみたいに硬いわけではない。モードとしてはSPORTのモードが、ピッチングを許容するセッティングで一番心地よい。RACEは、ちょっとダンパ効き過ぎな印象。

何れにしても、楽ちんポジションと相まって本当に上手くなったような錯覚をするし、勘違いしてもある程度は許容してくれる。
(同様に1098も勘違いする感じがあったんだけど、アレは攻め込んでいくとそれが勘違いだってことに、嫌っているほど気付かされるところが大きく違う。従来、失敗すると心臓が口から飛び出そうなぐらいドキッとする瞬間が、稀にやってくるのだが、1199にはそういった感じが今のところ無い。)

そのほか、重量が軽くなったこともいろんな所に良い影響があると思うけど、割とすぐに慣れる。
リアの良さと、前輪の接地感というか存在感がとても良い。

ブレーキ

とにかくこれが、最高に良い。330mm+モノブロックのブレーキが登場した1098の時は、やりすぎの感じしかなかった。自分の想像の数倍の減速をするから、イメージに合うまでは減速しすぎて開け直しみたいな感じがあって、ものすごい減速Gなんだけど、あれを活かすにはツッコミの速度を上げないともったいない感じがしていた。なので、848の320mmのほうが好感を持てる。
でも1199のブレーキは、本当にチューニングが絶妙に良い。あとで調べたらキャリパーピストンの径変更されてるし、マスター径も違う。だから、キャリパだけ移植しても1199と同じにはならない(というかむしろひどいことになると思う)
とにかくブレーキは良い。効き過ぎないし、よく効く。コントロールもしやすいしスポンジーな感じも特に無い。
前後連動ブレーキの効能は、あんまり乗ってないんでよくわかりません。
とにかく自然で、1098とかのブレーキからすれば数段良い。

まとめ

とにかく良い。
スロットルの操作性に、ギクシャク感を感じるので、ツーリングとか渋滞にハマると評価は変わるのかもしれないけど。
山道を飛ばす分には、馬力的にも申し分ない。
サーキット走るならば、馬力不足を感じるのかもしれないけど、公道走行レベルでは特に気にならない。

簡単に乗れるようになることに対して、一抹の寂しさを感じる既存のドカオーナーは、異論を唱えるかもしれないけど、最近のライダーはもっとライトユーザーだから、困難を乗り越えてまでバイクに乗ろうとは思わんのよね。

今までのドカは個人的感覚で言うと、たとえば
916の場合、筑波で5秒切れない人には比較的苦痛しか無いバイクだけど、3秒切れる人にはとても楽しい。
999の場合、筑波で10秒を切れない人には比較的苦痛しか無いバイク。3秒を切る人は、ん!?って思い始める
1098の場合、筑波で15秒を切れない人には比較的苦痛しか無い。3秒切る人は、アレレレ!?って思う。
みたいな、ある程度のスキルがないと上手く乗れない=楽しくない感じなんだが

1199は、まだそこまで乗り込んでないけどハードルが低そうな感じ。
だからといって1098みたいに、攻め込んでいった時の挙動不審というか裏切り感も少ないんだと思う。

修行というか、精神・技術の鍛錬としてドカと向き合っている人にはオススメしません。



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