2014年2月27日木曜日

bimotaはWSBK参戦の夢を見れるのか?その2 (WSBK車両公認ルール変更)

このページに直接来た人は、その1がありますので、まず最初にこちらを御覧ください。
bimotaはWSBK参戦の夢を見れるのか?その1 (WSBK車両公認ルール変更)


では、この2014年の新しい車両公認ルールの変更点を見て行きましょう。


まず、従来(2013)のルールの確認ですが



2.1序章の部分には 
アメリカ、EU、日本のどこかで公道走行用の認可を受けた車両である必要がある。車両は上記の普通の店で販売されなければならない。
少なくとも3戦目までに販売が始まらない場合は以降のレースには使用できない
と書いてある。(要約)


 また、別の章には以下のように書かれています


製造者が車両の公認を請求できるのは以下の場合:

・車両公認手順の開始時に、少なくとも125台が生産されていなければならない。車両は一般に販売されていなけねばならない。
・最低でも500台が6/30までに製造されなければならない。
・最低でも1000台がその年の12/31までに製造されなければならない。
・最低でも2000台が次の年の12/31までに製造されなければならない。

とあります。


2014年の車両公認ルールと比較すると、

・製造された車両の販売に関わるルール→撤廃
(もしかすると記述されていないだけかもしれないが…)
・第3戦までに販売が開始されない場合は、そのシーズンに参加できない→撤廃
・車両公認手順の開始時に、少なくとも125台が生産されていなければならない。車両は一般に販売されていなければならない。→125台の変更はないが、販売の条件が撤廃
・最低でも500台が6/30までに製造されなければならない。→撤廃
・最低でも1000台がその年の12/31までに製造されなければならない。→変更なし
・最低でも2000台が次の年の12/31までに製造されなければならない。→撤廃


大きくまとめると、従来は連続した2年間に2000台の製造が義務付けられていたが、それが1年間で1000台に緩和。販売に関する条項が撤廃…

つまり、シーズン途中での生産台数チェックの縛りが無くなっているから、とりあえず125台作っちゃえば、少なくともそのシーズンは参加できるってことですね。
年末までに1000台作れない場合にどうなるのかはわかりませんが…

これは、EBR(エリックビューエルレーシング)の参戦を可能にし、bimotaなどの少数生産メーカーへの門戸を再び開くことになるのでしょう。

また、DUCATIの過去のモデルに合ったような、お金を掛けた限定モデルの登場の可能性も増えると思われます。



bimotaはWSBK参戦の夢を見れるのか?その1 (WSBK車両公認ルール変更)


1/13の朝に突然、bimotaのWSBK参戦のニュースが発表されました。

チームは、昨年1199RSを走らせて良い結果が出なかった、ALSTAREレーシング。
こちらが公式サイトです。
http://alstare.com/page/all_articles/61/

プレスリリースによれば、ライダーは昨年このチームから1199でSBKに参戦したアイルトン・バドビニと、昨年MV AGUSTA F3でSSにParkinGo MV Agusta Corseから参戦していたクリスチャン・イドンの二人。

ParkinGoのスポンサードを受ける予定であるとのこと。

ただ、気になるのは最後の一文

* subject to approval of Homologation by FIM and its members
(FIMとそのメンバーによるホモロゲーションの承認が必要)

と書かれています。


その前に、bimotaのBB3が公認車両になる可能性について考えてみます。


FIMのサイトに行くと、英語とフランス語のみではありますがレギュレーションの原文を確認することが出来ます。
詳しくはこちらの、過去のブログエントリーで…
FIMのレギュレーションを原文で読む

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と、ここまでblogを書きかけて放置してあったのですが、大きな動きがありました。

2014/2/22付けで発表されたプレスリリースですが、WSBKコミッションの過半数の賛成で車両の公認ルールが変更されたとのことです。
原文リンク(PDF)
http://www.fim-live.com/fileadmin/alfresco/2014_FIM_Superbike_World_Championship_-_New_homologation_procedure,_22_February.pdf

ちなみに、現時点で発表されている公認車両リストには、bimotaのBB3は含まれていません。
原文リンク(PDF)

当然のことながら、第1戦のフィリップアイランドには参加していません。


この新しい公認ルールをざっくり翻訳しました。
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FIMスーパーバイク世界選手権

新しいホモロゲーションの手順

FIMは、スーパーバイクコミッション内の過半数によって、新しいホモロゲーション手順が承認されたことを発表します。

これは、オートバイ業界と世界市場の現状を考慮し、公認に必要な条件に関するものです。

新たな規制の主な影響は、生産される車両の合計必要数に関連しています。

・ホモロゲーション手順を開始するための単位の最小台数は125台となる。
・参加の最初の年の終わりには、生産台数が250台に達する必要があります。
・参加の二年目の終わりには、生産台数が1000台に達する必要があります。

スーパーバイクコミッションは、上述のように製造台数の最小数を制御し、競争の公平性を保証するために密接に各メーカーの生産計画に従います。

スーパーバイクコミッションは、WSBK選手権のオーストラリアで開催される初戦のフィリップアイランド戦で、新しいルールや議論をさらなる改良を検討している。

 詳しい説明は、数日中にFIMのウェブサイトで更新される、WSBK技術規則2014の中に含まれています。
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最後の一文で、詳細はWSBKのレギュレーションに書いてあるとありますが、現時点でリリースされているレギュレーションには、車両の公認に関連する事項が一切書かれていません。しかも、表紙がない体裁はドラフトっぽく、改訂版がリリースされることも予告されています。

2014WSBKレギュレーション 初版(PDF)


長くなったので続きます…