2021年6月4日金曜日

注文した部品が来ないと嘆く前に…

 外車2輪の部品、なかなか届かないことありますよね…


時間がかかるのはしようがないと諦めているかもしれませんが、個別に事情はあるので一概にどうこうと言う事はできません。
無いもの以外はあるのですぐ届きますが、あるもの以外は無いのでそういったものは時間がかかることもあります…


最近は多くの欧州系メーカーでは日本に部品倉庫を持っていません(小さいメーカーとか、インポーターは知らんけど)
これは別に手抜きでもサボりでもなく、国際間の流通が発展した結果、各国にローカル倉庫を持つよりも、国際宅配便で直送するほうが効率が良くなったからです。
4輪と異なり、部品の大きさが大きくないことも関係していると思います。
倉庫を集約することで、結果的にサービスレベル(注文がバックオーダーにならずに出荷される率)も高くできるからです。

以前は、ドカティでも日本に倉庫が有ったそうですが、日本倉庫に在庫がない場合、次の定期便での入荷になり大体1ヶ月から1ヶ月半は掛かってしまっていました。
(ちなみに、当時も誤解している人がかなりいましたが、航空便です。船便では有りません)

10年ぐらい前に日本倉庫がなくなり、以降イタリア本国の倉庫から日本のディーラーさんに直送されます。DHLで送られるわけですが、最速だと中2日ぐらいで届くこともあります。(日本の地域によっては、DHLがサービスを行ってないエリアが有り、佐川急便が代行していますがその地域はちょっと時間がかかります…と言っても+1~2日ぐらい)


では、ディーラーで部品を注文してから届くまでの流れを見てみましょう。

メーカーにもよりますが、大体のメーカーは緊急便と通常便があり、それぞれ頼める品目や最低数、最低金額などが定められています。単価の安い部品や、需要が見込める消耗品を、ちょこちょこ注文すると効率が悪いですからね。

以降はドカティさんのケースですが…
お店の規模にもよりますが、週に何回かの緊急便と、通常便を使い分けてるんじゃないかと思います。
緊急便で注文した場合、本社倉庫に在庫があればその日中に出荷されます。もちろん、日本との時差は考慮されるべきです。
出荷されると、その段階でDHLのトラッキング番号が発番されますから、以降の追跡を行うことができるようになります。
DHLの場合、欧州便はドイツあたりの欧州ハブに集約され、香港か中国あたりのアジアハブを経由し、日本の空港(DHLの場合、成田、関空、セントレア、福岡あたり)に届きそこからDHLのデポまで陸送されます。
ここまでで、大体イタリアを出てから3~4日ぐらいです。
此処から先は、DHLもしくは佐川急便がディーラーまで届けます。ただし、DHLは土日に配達してくれません…

先程も言ったように、注文スタイルにもよりますがどんなに遅くとも、1週間以内には届きます。

では、1週間以上経っても手に入らない場合、何が起きてるのでしょうか?

1. ディラーが出荷をある程度まとめてから注文している場合はそこでロスします。
2. よくあるのがディーラーさんが注文を忘れている場合。
3. 本社の倉庫で欠品している場合。

3の場合、ドカティさんの場合はディーラーの端末で本社に在庫があるかどうかはわかります。極稀に、タッチの差で売り切れることもあるようですが…
また、通常次の入荷予定がある場合はシステム上に表示されるようになっているはずです

なので、1週間経っても音沙汰が無い場合は、まずはディーラーさんに聞いてみるべきです。これで、1と2のパターンは交わせると思います。

問題は3のケース。
次回入荷が表示されていても、入荷数量に対して注文が多ければ引き当たらない場合もありますし、とにかく注文を入れないことには始まりません。
表示されている次回入荷予定日に注文しても、その時点で引当が残らないことも有ります。

問題は、欠品で次回入荷予定がシステムに表示されていない場合。
この場合は、ディーラーさん経由でメーカーに問い合わせをして貰う必要があります。
個別には個別の事情があるようですし、入荷の予定が遅れていたり、突然廃番になってしまうケースもたまにあるようです。

いずれにしても、ディーラーさんがのんびりしているとシステムに表示されている以上の情報は得られないと思います。ディーラーさん経由で個別に問い合わせれば、場合によっては代替えの部品が使えるパターンもあります。1ヶ月以上、これと言った情報が得られない場合は、発注を入れているディーラーさんは流石にのんびりしすぎです。プッシュしたほうが良いでしょう。

ここは最終的に人力なので、ディーラーさんの交渉力に期待するしか無いです…

※ちなみに、Webikeとmonotaroは海外のどこかのディラーを経由しているようなので、日本のディーラーから注文するよりも時間がかかるようです。

あと、もう一つ注意が必要なのは、部品番号の検索です。
昨今、いろいろな方法で部品番号を調べることはできますが、部品番号を指定して注文した場合、その部品番号が間違っていた場合の責任は注文した人になりますから、注意が必要です。ドカティさんのパーツリストは、部品の検索にテクニックが必要な場合がありますから、ディーラーさんに調べてもらったほうが良いと思いますよ…



1ヶ月も部品が届かなかった件が話題ですが、ちょっと前までイタリアが何回目かのロックダウンしていたことは考慮しないといけないかもしれませんね

2019年6月18日火曜日

2018-2019 FIM世界耐久選手権 最終戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第42回大会 レギュレーション変更点まとめ

久々に、投稿…
ツイッターだと文字数の問題と情報が散在しそうなので、たまにはブログを更新してみます。



今年の8耐は、かなり細かいルール変更があって、色々混乱しそうな予感です…


レギュレーション変更点をおさらいします。

世界耐久レギュレーション(FIM版オリジナル 英語)
 http://www.fim-live.com/en/library/download/73532/no_cache/1/
レギュレーションMFJによる和訳。
 http://www.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/rule-world/pdf2019/2019fim_rd_regulation.pdf

どちらも太字のところが今年の変更点になっています。
英語版はめんどくさいので、MFJ和訳版を基本に重要そうなところを見ていきます。

まず、予選
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1.13.5 レース出場資格
レースの出場資格を得るためには、各ライダーはプラクティス中に、大会特別規則に明記された最低周回数を完了していなければならない。
更に、各ライダーは、最低1回のクォリファイセッションにおいて彼の所属するグループの最も速いライダーのタイムの109%同等のタイムを出していなくてはならない。
特記:2019-2020シーズンは、最低クォリファイタイムは、当該グループの最も速いライダーの108%とする。
2020-2021シーズンは、最低クォリファイタイムは、当該グループの最も速いライダーの107%とする。
予選通過タイムは全クラス共通とする。
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チームごとの予選とは別に、ライダーごとに決勝を走れるかどうかが決められていますが、各グループ(赤・青・黄腕章グループ)ごとに、それぞれのグループのトップタイムの109%を出していないと決勝を走る資格がありません。
予選に関しては、トライアウトで参加チームが絞られているので、この足切りタイムを出すことが重要です。

ここで、最近の足切りタイムと予選グリッド順の決定方法を簡単にまとめておきます。
2012
  各グループ上位3名の平均の115%
  グリッド:登録ライダーの平均順
2013-2016
  各グループ、各セッションの上位3名の平均の115%
  グリッド:登録ライダーの一番速いタイム順
2017
  各グループ、各セッションの上位3名の平均の115%
  グリッド:登録ライダーの平均順
2018
  各グループの最も速いライダーの110%
  グリッド:登録ライダーの平均順

この辺も過去から紆余曲折がありますが、毎年厳しくなっています。
各グループの最速タイムの110%ですから、例えば2分4秒00の場合足切りタイムは2分15秒16になります。3秒とか出されると、足切りは14秒ぐらいですからプライベーターは結構も困りますよね…

次、ピット作業。ここは大きく変わります。
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1.15.5 ピットストップ
<略>
ピットレーンにおけるピットストップ中、公式アームバンドの装着によって身分が明確4名のスタッフが直接マシンの作業をすることができる。この4名は他の如何なる援助も受けてはならない。ピットレーンにおいて公式アームバンド装着者のみ他を支援したり、ホイール、その他パーツや工具を受け取ることが認められる。
<略>
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ピット作業できるメカニックの人数が4人というのは従来から変わりないのですが、「いかなる援助も受けてはならない」ここが今年の変更点のポイントです。
従来は、前後にアクスルの抜き差しをする人、ホイールの入れ替えをする人が腕章メカニック(バイクに触れて良い人)で、それ以外に新しいホイールを渡したり、交換したホイールを受け取る人等が配置されていましたが、これが明示的に禁止されます。


次、タイヤ使用本数。ここ何年も紆余曲折していますが今年は決勝用と予選用で分けられます。
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2.3.6.6 タイヤステッカーの数
<略>
2回のクォリファイプラクティスセッション及びレース各チームが準備する どのタイプ、仕様、構造等、フロントまたはリア、スリックまたはインター ミディエイトタイプのタイヤ、各チーム準備される全てのタイヤはFIMタイヤステッカーによって2回のクォリファイプラクティスセッション(QP)及び レース中にマーキングされる

1. EWCクラス、各チーム
― 8時間イベント
レース用タイヤステッカー16枚 QP用6枚 (2名のライダーチームの場合 QP4枚)
※ここ和訳版では2名ライダーの場合レース用4枚と書いてあるが誤訳。無理でしょw
2. スーパーストッククラス、各チーム
― 8時間イベント
レース用タイヤステッカー9枚 QP用6枚
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EWCに限って言えば、予選はライダーごとに1セット、決勝は1時間毎に1セット使えますね。予選の6本をどう配分するのかが鍵になりそうです。


続いてハンドプロテクター?
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2.3.14 ハンドプロテクター
ストリームライニングに追加のハンドプロテクターを装着することを推奨する。 “クイックフィット”タイプのものに限定される。ハンドプロテクターは、手の 保護を目的とするためだけのものであり、ハンドルバーの幅より突出していては ならない。すべての尖ったエッジは丸められる。ストリームライニングにハンド プロテクターを装着した場合でも、必要なクリアランスは守られなくてはならな い(図A-3を参照)。
<略>
2019年1月1日よりハンドプロテクターは義務となる。
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ここで言う「ハンドプロテクター」とはレバーガードのように見えるけど、「ストリームライニング」の装着と書かれていて謎。ストリームライニングというと、フェアリングとかの事を指すと思うんだけどなぁ… まぁ、レバーガードのことですかね?


去年の8耐以降、話題だったのがこれ。当時はFIM公認のクイックフィルバルブしか認めないということでしたが…
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2.3.15 給油
オリジナルの燃料タンクキャップは、クイックフィルタイプ(航空機タイプ)の に適合する最大2つの開口部を持つ燃料バルブに変更しなければならない。
そしてそれはクローズトシステム(閉鎖式のもの)でなければならない。同心円 状のクイックフィルバルブ開口部が認められる。
<略>
2018年9月1日より下記事項が適用される。
1 オリジナルの燃料タンクキャップは、クイックフィルタイプ(航空機タイプ)のに適合する最大2つの開口部を持つ燃料バルブに変更しなければならない。各タンクバルブまたは各スリーブまたは燃料タワーとタンクを繋ぐパイプの直径は 50.8mm(2インチ)を超えてはならない。
同軸または同心円状のクイックフィルタイプバルブシステムが認められる。クイ ックフィルフュエルバルブシステムのこのタイプの最大直径は78mmとする。同 心円状バルブの燃料移送のための開口部はオリジナルのフュエルバルブ開口部のエリアを超えてはならず、最大直径は2インチとする。(50.8mm)
<略>
2019-2020シーズンは、FIM公認フュエルバルブのみ使用が認められる。
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というわけで、公認バルブの導入は次のシーズン(8耐以後)に持ち越されています。
容器の高さ制限は、去年からタンク部分100cm、全体でも120cmというのは継続です。


次、車体回り
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2.6.6.1 メインフレームボディー
<略>
公認された車両のリアサブフレームは、変更、または改造することができるが、 デザイン、目的及びアッセンブリ―は公認された車両のパーツを維持していなければならない。素材タイプは認証を受けたものに維持されるかまたはより重量の あるものでなくてはならない。

シートセクション/ボディーワークの材質は交換することが出来るが、全ての方向に対する公認時の形状/プロフィールは維持されていなければならない。
<略>
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ここ条文も、従来わりと緩かったところですね。シートレール自体に違う目的をもたせたりデザインを変えることが明示されました。
あと重要なのが、シートセクション/ボディーワークは全方向に対して公認形状を維持しなければならない。これ、厳格に運用したらレギュレーションに合致するバイクは1台も無いような気がします。特に、市販車(ホモロゲーション車)での16とか17リットルの燃料タンクを24リットルにするのに、全方向での形状を維持するのは難しいです。従来は「原則として」というような表現で割と曖昧でしたけどね…


次、チェーンガード
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2.6.6.3 リアフォーク(スイングアーム)
<略位>
ライダーの身体の一部がチェーンの下部とリアホイールスプロケットの間に挟ま れる可能性を減少する方法でスイングアームにチェーンガードが装着されなくて はならない。チェーンガード(a.k.a シャークフィン)はチェーンとカムスプロケ ットが噛み合う部分の開口部を覆っていなければならない。
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チェーンとスプロケットの噛み合う部分(下部)が見えてちゃいけなくて完全にカバーされないとダメみたいですね。


最後、燃料タンク
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2.6.6.10 燃料タンク
オリジナルの燃料タンクを改造して、24リットルの最大容量を達成することが できるが、公認時の外観及び位置は維持されなくてはならない。しかし、ライダ ーの好みに合わせて若干の変形が認められる。フレームのアッパーラインより下 はタンクを改造する事が認められる。しかし、燃料タンクの延長部分はアッパー とロワーシートフレーム構造内に収まるものでなければならない。燃料タンクの 先端は、リアホイールアクスル部の仮想垂線を超えてはならない。
<略>
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ここもトップチームでは、結構問題になっているようです。
昨今では、重量配分や燃料が減ってきたときの重量配分変化を嫌って燃料タンクがどんどん車体後ろ側に移動しているのがレーシングバイクでのトレンドですが、いくつかのチームがそのために燃料タンク形状を大きく変えています。そもそも「2.6.6.1 メインフレームボディー」で形状が規定されていますが、タンク下側も新たに「ロワーシートフレーム構造内に収まるものでなければならない」と明示されました。
某社のワークス系チームや、ドカティのV4Rを使用するチームなどがすでにこの項について指摘され改善を求められているとのことです。具体的には、はみ出している部分に枠(フレーム)をつけてフレーム構造内に収まっている状態にしないといけないようですね。

レース前の公式車検も、数年前からFIMのスタッフがチェックしており、国内側での融通が効かないようです。

以上、簡単(?)に今年の8耐ルールの変更点をまとめてみました。

2019年3月2日土曜日

FIMのレギュレーションを原文で読む 3

比較的暇だった頃に書いた
FIMのレギュレーションを原文で読む
FIMのレギュレーションを原文で読む 2
がリンク切れ過ぎていて使いものにならないので、再エントリー

兎にも角にも、レースレギュレーションに興味や疑義が生じたら、FIMのレギュレーションの原文を読むのがおすすめです。(全日本ロードレース選手権の場合はMFJ)
基本的に、英語ですがそんなに難しくないと思います。

国際モーターサイクリズム連盟(FIM) 各種ドキュメント置き場
http://www.fim-live.com/en/library/

まず、多くの人がここにたくさん表示されるリンクを見てめげると思いますw
以前はカテゴリー分けされていて見やすかったんですが…

文書は基本的にPDFで(一部エクセル、ワードあり)、
左から文書名、ドキュメントタイプ、オーナー、言語、年
となっています。

ドキュメントタイプは、レギュレーションを探すなら「codes and regurations」です。
オーナーはサーキットでのレースの場合は CCRです。
言語は英語とフランス語しかありません。
年は文書に関連した年です。



最近の面白そうなのを、適当に見繕って直リンしておくと(後日、リンク切れの可能性があります)
※PDFが開くかダウンロードされます

MotoGP、Moto2、Moto3のレギュレーション
2019 FIM Grand Prix World Championships Regulations (update 21/02/2019)

スーパーバイク、スーパースポーツ、SS300のレギュレーション(仮)
2019 FIM Superbike, Supersport & Supersport300 World Championships Regulations (provisional)

SBK、SS、EWC公認車両一覧
Listing of FIM homologated motorcycles for 2019, 17 February

SBK、SS600、SSTK、SS300なんかの公認部品リスト。
これ結構面白いよ(2019/3/13追記)
※エクセルファイル
2019 FIM Approved Parts List - updated Feb 2019

世界耐久選手権のレギュレーション
2018-2019 Endurance World Championship (updated Dec_2018)





2016年8月10日水曜日

8耐を殺すのは誰か!?



今年、初めてテレビで8耐を観戦しました。
初めてというのは、何時もはサーキットに居たからなんですが…
それはさておき、テレビで8耐を気軽に(と言ってもBSだけど、無料だしね)見れるようになって良かったなと思う反面、去年辺りから気になっていた異変が確信に変わりました。

昨年の10月に突然発表された2016 8耐の参加台数制限と2017年の8耐が世界耐久最終戦になると言う発表。去年辺りから、日本における世界耐久事情が急速に変革してきた感じを受けていました。
結果的に2016年の参加チームは、2015年の8耐決勝での所定の結果を収めたチームに加え、予選レースとも言える8耐トライアウトを受けることによって、参加できるチームを70チームに絞りました。


従来から、鈴鹿8耐は世界耐久選手権の一戦で、以前は世界耐久の年間エントリー契約チームは参加が必須でしたが、2009年の景気の悪化以降、参加必須が鈴鹿だけ免除されてきた経緯があります。(この項目は現在も継続中)

世界耐久チームの多くは、耐久好きなフランスをはじめとした欧州のチームが多く、日本までの遠征には負担が大きいために取られた措置でした。
そのせいも合って、2007年以降は決勝フルグリッドの70台を割っていて、日本一カジュアルな世界選手権と勝手に呼んでいました。



一方で、日本、鈴鹿における耐久レース≒8耐は、日本人的には特別な感情を持って慕われる特別なレースでも合ったわけですが、その雰囲気が一変したなと思うのは去年、2015年辺りからだと思います。
とは言っても、パドックをウロウロしていると例年よりFIMの関係者が多いような気がしていたとか、車検の時にはFIMの関係者からの指摘が増えたことぐらいでしたが、いずれにせよイベント自体に関するFIMの関与が増えてきたんだな―ぐらいにしか思っていませんでした。

この答えを、たまたまお土産でもらった今年の8耐プログラムの冒頭で見つけたのが、今回のブログエントリを書くことになった理由です。(よくよく見たら、去年のプログラムにもすでに書かれていたのですが…)

プログラム冒頭には、FIM会長 ヴィト・イポリト氏のごあいさつが書かれているのですが、そこには昨年よりユーロスポーツのテコ入れで選手権のビジュアル面を改善・強化と書かれていました。
今年の放送でも仕切りにユーロスポーツの生中継と言っていましたが、そういうことだったんですねぇ…

確かに、数あるロードレース系の世界選手権の中で、世界耐久選手権は(フランス以外では)一番パッとしない世界耐久選手権なのかもしれません。ここに、FIMとユーロスポーツが目をつけたんでしょう。そう考えると、昨年からの違和感についても合点がいくというものです。


さて、今年2016の鈴鹿8耐にエントリーするためには、昨年の決勝レースで所定の実績を収めているか、他のレース(8耐トライアウト)での上位の成績が必要になった訳ですが、今年のトライアウト導入に至る経緯については、ライディングスポーツの2016年1月号に詳しいです。
要約すると、
・予選が2組になると走行時間が十分に取れない。昔はA、B組の時代も合ったが、今は第3ライダーがあるのでスケジュール的に厳しい。また、一度に走行できる台数はコースのホモロゲーションで75台だが、70に絞れば安全である。
・参加選手のタイム差が大きい
ということらしい。

だが、これには異論があります。
世界選手権年間エントリーチームの鈴鹿参加が免除された2009年以降、エントリチームが少なかったので結果的に予選は1組で済んでいたのですが、2015のストーナー効果によりエントリが増えて2015年からは予選はA・B2組開催に戻っています。
ところが、2015年はエントリーの増加を予測して、事前のレギュレーションで同時走行台数を80台に増やしてしていたのです。(実際にはエントリーが81台になって、A・B組開催になったのですが)
これは、コースのホモロゲーションも無視した変更で、安全性という観点からも問題があります。

2015年 鈴鹿8耐  大会特別規則書より






2014年にそれまでの1組走行の最大になる70台になったのですが、実際この時コース上は結構危険な状態だったのにもかかわらず、それを実現しなかったとはレース進行のために80台に変更しておきながら今更安全性でとか言われても、それが本当の理由だとはちょっと思いにくいです。

また、第3ライダーが増えたのでという理由については、それ以前も補欠ライダーと言う名の第3ライダー走行枠は合ったわけだから、これについてもちょっと疑問です。

参加者のタイム差については、予選はともかく決勝については予選台数以外に上位のライダーの115%のタイムを満たしていないライダーは走れないという大元のルールがあるわけだから、必要に応じてこちらを変更すべきなんじゃないかなと思うんですよね。


いずれにせよ、トライアウトが実施された2016の8耐はそれなりに盛り上がって、記念すべき40回大会の2017年については、世界耐久選手権の最終戦に設定され、有名ライダーの参加も噂され盛り上がるべくして盛り上がるんだろうと思います。



8耐には2つの側面が合って、興業としてイベントとしてのハチタイ。もう一つは、参加者、特にプライベーターの参加としてのハチタイがあると思います。
ここ10年ぐらいで振り返ってみると、2001-2年あたりまでは割と盛り上がってた感じでしょうか?
GPライダーを始めスターライダーが走ったり、TV番組の企画になったりとしてた辺り(功罪はあるにせよ)。




興業としてみた場合、ここ最近の観客動員を分析してみると面白いことが分かりました。
偶然の一致かもしれませんが、決勝日の観客動員数は、エントリーチーム数と概ね比例しているようです。(どうでもいいけど、8耐の観客動員数調べるのは全日本ロードレース選手権のそれを調べるよりはるかに大変でした…)


単に景気の情勢と、エントリーチーム数が連動しているだけなのかも知れませんが、いずれにせよ平均すると1チーム当たり約1000人のお客さんを連れてくるようです。
つまり、エントリー数を限定せず増やしたほうが、観客動員数が増えるんじゃないですかね?
トップチームだけで競技としてのレースは成立するんでしょうが、興業…お祭りとして考えるとそれ以外のプライベートチームのエントリーというのも決して無視できないんじゃないでしょうか?


来年のハチタイは多分大いに盛り上がるでしょう。
だけどそれ以降、例えばユーロスポーツが手を引いたりしたりした場合どうなるのかは何ともわかりませんが、日本人的なハチタイとしてどうなんでしょうかね?

煽りっぽく書くと、
「俺たちのハチタイを欧州の商業主義に奪われても良いのか!?」
って感じですかね。
以上が今年の感想です。

欧州のバイク市場には多少の効果があると思うけど、日本のバイク市場の活性化には8耐はあんまり影響無さそうなんで、さしあたり奪われるのを傍観するしかなさそうな気配です...

※この投稿をまとめるに当たって、色々調べていくうちに、実は去年からユーロスポーツの関与については各所で記事になっていたものの、単に読んでいないだけでした。
自戒の念を込めて、ここにしたためておきます…


















[追記]最後にちょっと補足しておくと

まず、トライアウト制の何が困るかと言うと、単純に参戦コストが増えるだけでなく、スポンサーへの説明が難しく資金の調達が一層むずかしくなるという問題があります。
予選落ちは予選落ちとしても、一応8耐に出たことには変わりがないので、スポンサーさんへの説明が比較的容易ですが、事前に選抜レースがあるということになると話がややこしくなります。

また、参戦コスト的にも非常に大きなものとなってしまいます。耐久レースは、レース自体に掛る直接的なコストよりも、お手伝いしてくれるチームスタッフの人数とかそれに掛かる滞在費・移動費なんかが馬鹿になりません。

ユーロスポーツのテコ入れに関しては、2015年の8耐を見たFIMの人たちはパドックの貧乏臭さと、レースのレベルの開きが気になったんじゃないでしょうか?

結果的に、落ちない予選であるにも関わらず、2分16秒以下チームが5チームと、いつになくレベルが高くまとまった訳で、FIMの意向は成果があったと言えるんでしょう。


あと、主催者推薦枠が従来の4台から11台になったのは鈴鹿サーキット良心だと思います。
それまでの主催者推薦枠は、様々な圧力や横槍にさらされた結果、結局予選タイムの頭取りという機能していない状態になっていましたが、今年の結果を見る限りでは主催者推薦枠が11枠になりちゃんと推薦枠として機能しているようです。


まぁ、鈴鹿サーキット自身が、この優良なコンテンツを行かしきれていないのだから、ガイジンに乗っ取られるのもやむなしなんでしょうかね?
個人的には鈴鹿サーキットには、世界耐久選手権を抜けて、独自の耐久文化を築いてほしいと思ったりするんですが、鈴鹿8耐の歴史を紐解くと、創始者(?)の藤井さんは世界選手権にこだわってたみたいだし、まぁこのままフランス人の舞台になっちゃうのでしょうかねぇ?

2015年5月9日土曜日

ドゥカティ:2015年4月 DUCATI史上 過去最高の販売月間

Italia on Road web版からの翻訳記事

ソース:Ducati: aprile 2015 mese record assoluto di vendite nella storia di Borgo Panigale

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ドゥカティ:2015年4月 DUCATI史上 過去最高の販売月間


2015年のドゥカティ・モーター・ホールディングは最高の結果で始まった。
モーターサイクルを販売・生産を一貫して行うボルゴ・パニガーレの会社での、過去5年間の上昇傾向を確認。


7309台の顧客へのデリバリーによる、4月の月間記録は史上最高記録。前年同月比29%アップ。前回の月間最高記録は2012年5月、6500台をデリバリーだった。
2015年の最初の4ヶ月合計では、前年同期比10%増の17881台の車両を販売し、ボローニャのモーターサイクルカンパニー史上最高を記録している。

現在の目標は、2015年のドゥカティのモデルレンジを特徴付ける、スクランブラー、1299パニガーレ、新型ムルティストラーダなどの新製品の導入によって、極めてポジティブ。これらの技術的な革新は、その革新的なスタイル、技術と性能のおかげで、世界中の新規顧客と共にドゥカティスティと呼ばれる情熱的な観衆を席巻している

2015年4月は、欧州諸国で特に重要な成長を記録した。前年同月比で、ドイツ+52%、スペイン+54%、イギリス+50%、フランス+13%、そしてイタリアではスクランブラーの販売がモーターサイクル過去最高記録となる+69%。

欧州でのポジティブな傾向を確認したアメリカでの受注は、ドゥカティ最大のマーケットとなる役割を強化している。海外での2015年のニューモデル(の導入)は物流の理由により(遅れているが)、ボルゴパニガーレのより重要かつ大切な成長へ向けての目標への、楽観と信頼が近日中に来ることを保証している。


  • 2015年4月 7309台のデリバリー
  • 前年同月比+29%は記録的な水準。ドゥカティ年間10%成長の始まり
  • イタリアでの4月はスクランブラーがベストセールスになり、記録的な成長(+69%)
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昨年のセールスリザルトは、過去最高を「作った」感が否めなかったわけですが(参考:2014年のドカティ販売結果)、それに比べれば今年の1~4月期はポジティブと言ったところでしょうか。
特に、欧州市場での改善が著しいようです。欧州以外の数字が出てこないところを見ると、他の国は現時点でポジティブとは言えない結果なんでしょうね。

日本もいつものごとく、ニューモデルの投入が遅れているわけですが、ニューモデルのデリバリーが始まった時にどうなるでしょうか?





2015年2月16日月曜日

2015 FIM公認車両リスト SBK、SS、 STK、EWC 

今週末から始まるスーパーバイク選手権を前に、ようやく公認車両リストが発表されました。

リンク先:PDF注意
Listing of FIM homologated motorcycles for 2015


SBKカテゴリでは、新規公認は以下のとおり

  • APRILIA RSV4 1000 RR/RF JAN 15 – present 
  • BMW S 1000 RR JAN 15 – present (+ABS, DTC, Electronic Gear Assist, DDC, forged wheels)
  •  DUCATI 1199 PANIGALE R FEB 15 - present
  • YAMAHA YZF R1/R1M (2015 model) JAN 15 – present (R1M with forged wheels)

ニューモデルが車両公認台数の1000台が生産できるかどうかが注目のMVアグスタですが、なんと

  • MVAGUSTA F4 RR JAN 14 – present (+ 2015 Model parts updates)

という形でリストになっています…
部品のみのアップデートで公認って…どうなんだろうか
レギュレーションには、1.5で「プロダクト アップデート」が可能(部品自体に問題が生じた場合、あるいは改良されるようなケースへの対応だと思われる)であると書かれているが、以下が変更された場合には、新規にホモロゲを取得しないといけないと書かれている。

  1. 新しいエンジン番号範囲
  2. 新しい車体番号の範囲
  3. クランクケース
  4. スロットルボディ
  5. エアボックス(インジェクタ含む)
  6. フレーム:ディメンジョン(ホイールベース、キャスタ角、スイングアーム取り付け位置リアショック取り付け位置)と重量、テクノロジー
  7. シリンダー、シリンダーヘッド、カムシャフト、コンロッド、カムシャフト、吸排気バルブ
つまり、パフォーマンスが変化するような変更は、新規にホモロゲーションが必要ですよという、割と当たり前の話。
2015のMVアグスタのホモロゲーションがどうなっているのかの詳細は不明です。


Supersportの公認車両は変更なし。※画像省略



Superstock 1000 並びに Formula EWC の公認車両リストは、アプリリア、BMW、ヤマハのみ更新。ドカティは公認申請が間に合ってないんだろうな。SBKの方も、2月更新とギリギリのタイミングだし…
これについては、今月末あるいは来月に公認車両リストがアップデートされると思われます



※注)
公認車両リストにおける「end」とは、生産が終了しているモデルのこと。「present」は現在生産中のモデル。
過去のモデルで「end」が付いているモデルでも、リストに掲載されている場合は公認が有効である。
つまり、このリストに掲載されていないモデルは、公認されていない。
基本的に、公認期間は申請から5年であるが、再申請すれば延長される。




2015年2月12日木曜日

グリップのワイアリング

たまにはTipsらしい投稿を…

ツイッタのTL上でグリップのワイアリングがネタになっていたので、ちょっと解説。
ググれば色々出てきますが、流派とかあるみたいなのであくまでもその一つということで。



ワイアは、ワイアリング用として市販されているものが良いです。細すぎると撚った時に切れるし太いとなじまないので、0.6mmぐらいのステンレスワイアを使用します。
ボトルの中から引き出すタイプのほうが、なにかと使いやすいです。

ワイアーツイスターは無くても出来ますが、あったほうが楽しいです。


まず、最初にワイアを掛けます。2本で左右を縛るか、3本で縛るかはグリップの溝とかと相談ですが、3本で縛る場合は左右を先に縛ってしまうと真ん中がたるむので注意が必要です。

ワイアを掛けるときは2週させます。この時、上側の部分でワイアがクロスしないように気をつけます。クロスするとその部分が盛り上がるので、見た目がかっこ悪いです。平行にワイアを並べてください。

縛り目を何処にするかはそれぞれ流派によって異なるようですが、下側で手のひらに触れない範囲が良いと思います。下の図で赤い矢印の範囲になると思います。





ワイアを適当なテンションで引っ張りねじります。引っ張りすぎるとグリップが切れますし、緩いと意味が無いですから適当に。









大体、5~6mm残して切ります。










ここから先の作業は、ラジオペンチなどの先が細いほうがやりやすいです。







切ったら、それを半分に折り曲げるようにします。(完全には折らない)








折った先を、グリップのラバーに押し込みます。








切り残し全体が収まるように、さらに押し込んで完成です。


2015年1月23日金曜日

2014年のセールスリザルトを踏まえてのドゥカティ販売戦略に対する懸念(イタリアwebサイトより)

先日のエントリーで、2014年のドカティの販売台数レポートを、わざわざイタリア語から翻訳して載せたんだけど(ブログエントリ:2014年のドカティ販売結果)、すぐに日本語リリースがドゥカティジャパンから発表されてしまった。(ドゥカティ、2014年に45,100台のモーターサイクルを販売して記録を更新
どうせ、リリース出さないんじゃないかと思って訳したんだけど、あっさり裏切られました…

微妙にニュアンスが異なる部分もあるのですが、まぁそれはそれとして置いておきます。


ちょっとくやしいので、関連したニュースをイタリア語サイトから拾ってきました。
ソース:Italia in road web magazine: ドカティは新しい+2%アップのセールスレコード、しかしイタリアは-14%。他の国では?


プレミアム感を維持しつつも、低価格モデルを出すというのは結構難しいと思いますけど、一方で「ハイエンドイメージで、ローエンドを売る」という戦略も重要ですよね。

先日のBMWの販売台数(123,495台/2014)のレポートを見て思ったのは、ドカティは如何せん生産台数が少ない(45,100台/2014)ので、生産コストを下げるためのスケールメリットがあまり期待できない。結果的にコスト高になってしまうので、低価格帯マーケットで他のメーカーと同様に勝負するのは、実質的に難しいと思うんですよね…

なおかつ、バイクなんてフォーマットが変わらないとコストダウンも限界があると思うのですよ。つまり、シリンダの数減らすとか、タイヤの数減らすとか…
つまり、2気筒でやってる限りは、利益減らすだけになりかねないのよねぇ…

レポートの最後の一文には、強く同意します。



以下、上記webサイトページの訳です。
※途中何言ってんのかわからないところもあったので、結構意訳です。ご了承ください…
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ドゥカティは新しい+2%アップのセールスレコード、しかしイタリアは-14%。他の国では?


ドゥカティモーターは、2013年比+2%の新記録45100台をデリバリーして5年連続の上昇傾向をマークした。

しかし、残念ながらヨーロッパマーケットの3%の減少に対して、イタリアマーケットでは4284台、14%マイナスの大幅な下落を記録した。

確かに経済危機の影響は大きいが、大きな問題は価格とボローニャでの生産に高いコストが掛かることにある。

多分ボルゴパニガーレは、まだ理解していないこの長い危機(2008年に始まった)は、限られた経済危機ではなく、構造的な問題である。
古き良き時代が再び訪れることはありません。(消費社会の中心である)中流階級が事実上消滅し、もし回復する場合でも効果が感じられるまでには時間がかかるだろう。

2014の販売の数値を読む前にさえ、すでに私はいくつかの時間前に書かれたメモの中ですでに、ハーレーダビットソンと比べた時に、ボルゴ ・ パニガーレがマーケットのニーズの変化、特にイタリアマーケットの変化について正しい理解しているのかどうか疑問を持っていた。

多分、ドゥカティはモデルの所有が1年を超えることはなく、ドゥカティを所有することは貴重な特権であるといまだに信じている。

マーケッティングによって(戦略を)決定しているHDは、ドゥカティとわかりやすく比較することができる。彼らはモーターサイクリストのニーズの変化を反映していて、8000€以下の表示価格を持った500と700ccの小型モデルの戦略を始めている。

KTM、トライアンフ、日本メーカーとMVアグスタの一部では、新しい市場の動向を見極めて、現在のマーケットのニーズに沿った技術的な確信を持つ多くのモデルをEICMAで発表した。唯一ドゥカティだけが、それらの路線とは逆のよりプレミアムなモデルだった。

小排気量モデル…極東アジアの新興国は全く素晴らしい売上高(年間数百万台の)に到達できるが、すぐにヨーロッパのトレンド(ユーティリティ、メインテナンス、保険料)と同じ傾向になる可能性があり得る。

法律による規制、維持費、交通渋滞の激しさを鑑みると、150馬力を超えるパワーは、サーキット上もしくは飲み屋の席についてテクニカルデータをひけらかすことにしか使うことができないだろう。



200馬力のパニガーレ、162馬力のムルティストラーダ、150馬力のモンスター、などは顧客の比較的近い周辺にしか販売できない。私は近年のドゥカティの顧客を構成する一つのハードコアな顧客が居なくなることを懸念している。

これらのモデルが持っている全ての高価なエレクトロニクスは最先端である:しかし、160とか200馬力の出力を生み出し、それらを扱いやすくするためにパワーを制御するエレクトロニクス「メディア」を装備することはどのような意味があるだろうか?

間違いなく「若くない」世代である潜在顧客は、実際にはその機能の1割も使用することが出来ない、スマートフォンみたいなメーターパネルには興味をひかれることはないだろう。

私は、ドゥカティの目指す道がフェラーリの2輪版になることであると考える:とはいえ、私が繰り返し言っているようにそれらの2つはの異なる世界である。関連する数字は非常に異なっているし。顧客も同様に全く違う。

2つのクライアントの哲学は実質的に異なっていると信じている:ドゥカティは、自分自身のために、しばしな大衆の好みとは反対する情熱家が購入する。一方、フェラーリは逆にステータスのために購入する、他の人に「俺、フェラーリ持ってるぜ!」って言うことが出来る。

イタリア製のドゥカティの戦略では、今のところ年間4000台程度販売されている。私はそれが経済危機の問題だけではないと思っている。ポイントは、ハイエンドバイクでさえいまだに消費材であるということである。

1万€以下のドゥカティは存在しない。それは、最も忠誠心の高い顧客を失う可能性があることを懸念し、このレンジの発展についてフォローするつもりがないからである。

私は、この10年間の後半に、新興の日本の産業によってもたらされた欧州の特にイタリア・イギリスでの主要産業がほとんど占領された、70年台の失敗を繰り返すことを望まない、それはその時でさえマーケットの需要の変化を解明できなかった。

新興国でのプレミアムな商品の設定には夢がある:しかし例えばブラジルではドゥカティを年間6000台販売するようになるのにどれ位の時間がかかるか?この国にはモーターサイクルの伝統がない。

最終的な懸念は顧客の反応がより汎用性の高い方に向かいドゥカティが縮小することである。

もし、SBKとMotoGPチャンピオンシップでの残念な結果によるイメージの低下を考慮するならば、全ての懸念はますます根拠の無いものになるであろう。

このような背景により、イタリアでの販売の減少は予想されたものであった;ただのイタリア製の商品にならないように、プレミアム商品であることを強く主張するのがせいぜいである。私達は、すくなくともスクランブラーがあたらしい道を切り開くことを願っています:もしイタリアでの販売がさらに縮小する場合には、自国では輸入車になる可能性が高い。つまり「預言者は故郷で受け入れられない(Nemo propheta in patria)」ということである。すくなくともイタリア以外の他の国ではドゥカティは輸入車としての魅力を維持し続けていることを願っている。

しかし、少なくともディーラーは、イタリアの市場で戻ってくるバイクの数が少ないのが問題であることに留意する必要がある。イタリアの起業家の誰が、自分で投資して最悪でもプレミアムなバイクを年間に2~300台のバイクを販売しなければならない店を作るだろうか?

さらにくわえて、ローマでドゥカティが直営店を運営している選択(強制?)のことを考えるべきである。ローマは最も頼りになる大都市の一つである。

マルチブランドの販売店からの転換への最終的な解決策は、プレミアムバイクのイメージとは全く対照的になる。

そして、私が考える最善の解決策はローマの例と、地域や特に大規模な地方の場合では、エリア全体に配置されたドゥカティポイントと結び付けられた直営店をオープンすることにあると思う。これによって、顧客はアシスタンスを受けたり、最終的にはオフィシャルストアで購入した後の車両のデリバリーの交渉を必要とする事ができる。

マーケッティングのエキスパートではないので、私の意見は非常に個人的なものである。しかし、私はこの主張に傾いている。何故ならば、私の懸念は、将来の「私の」ドゥカティのためにある。

結論として、私は「プレミアム」バイクの概念に異なった解釈をしている:「プレミアムとは、製品の品質と卓越したアフターセールスである」と…



2015年1月16日金曜日

2014年のドカティ販売結果

2014年のセールスリザルトの記事を見かけたので、取り急ぎ翻訳です。


昨年比+2%ってのは、なんとかギリギリで数字を作った感はありますね。
11月の段階で、昨年に引き続きセールスレコードを記録したBMW Motoradに比べると厳しい状況であると言えるのかもしれません。
アメリカに次ぐ主要マーケットの、自国イタリアでの減速が大きいですよね。イタリアは相変わらず景気が良くないようで…


ソース:Mondo Ducati facebookページ

2014年のDucati Motor Holding S.p.Aは、2013年の販売台数に2%プラスした45,100台を提供して、新しいセールスレコードを記録した。これは、5年連続のプラス成長傾向である。


新しいモデルの導入による販売台数の増加が、マーケットの不確実性にもかかわらずこの重要な結果を達成することに貢献した。
具体的にはモンスターファミリー、1200と821のニューモデルの登場のお陰で登録は16,409台 +31%の伸びを記録。
モンスターに加えて899パニガーレは、5,806台 +74%を販売し、エントリースーパーバイクファミリーのボリュームを大幅に増やし、スーパーバイク全体の全世界向け販売で 9,788台+12%で2014年を締めくくった。


北米では、2013年と同じ登録台数を維持。メキシコは8%の伸び。
アメリカは、引き続き全世界でのドカティの販売台数を牽引して、8,804台を販売した。
厳しいマーケットの状況にもかかわらず、南米での販売は大幅に増加した。
特にブラジルでは、CKD(コンプリート・ノックダウン)による現地生産の導入と強力なディーラーネットワークの拡張のお陰で1,174台 +74%を販売した。

ヨーロッパの販売は、主にいくつかのマーケットの厳しい状況に関連して減速した(19,743台 -3%)。もし、イタリアでの登録(4,284台-14%)が他のヨーロッパに比べて、2013年のレベルに到達していれば、UKの二桁成長(2,742台+16%)もあって売上は安定していたはずだ。

アジアは「二桁成長」。
タイの強力な伸び(3,057台+22%)と中国の倍増(+97%)によって、過去最高の結果(5,787台+11%)になった。
※訳注:ここで言う「アジア」には日本とオーストラリアは入らないと思われる。

オーストラリアでの販売は大幅に増加(2,132台+13%)と、日本は2,558台+1%の成長。

ソース:Mondo Ducati

2014年3月24日月曜日

FIMのレギュレーションを原文で読む 2

1年半ぐらい前のエントリーで、FIMのレギュレーションを原文で読む ってのを書いたのですが、今朝のMoto2における中上さんの失格騒動を受けて、続きを書いてみます。


前回もご案内したように、レギュレーションはこちらからチェックできます。
http://www.fim-live.com/en/fim/fim-official-documents/

今回話題のMoto2含む、MotoGPのレギュレーションはこれです。
2014_FIM_MotoGP_World_Championship_Regulations_(bilingual).pdf (PDF注意)


今回問題になっている、Moto2のエアフィルターに関する記述ですが、以下のようになっています。


問題の箇所は 2.5.3.6 フューエルシステムの 10項。

以下、訳
2.5.3.6
10)エアボックス:オフィシャルサプライヤによって供給される、標準のエアボックス(エアフィルター、セカンダリインジェクタ含む)のみ使用することができる。以下の2.5.3.6.11で記述された場合をのぞいて、許可されたエアボックス以外は、改造、変更、または追加することは出来ない。

とあります。

この項目の注目ポイントは、通常禁止されている強い口調の場合は"not permitted"(許可されない)とか、"must be used"(使用しなければならない)などと表現されるのですが、ここが"may be used"(使用できる)と書かれているポイントだと思います。

しかしこれは、文頭の"Only"を受けるので、オフィシャルサプライヤから供給されるエアボックス「のみ」使用ができる、という意味で事実上はそれ以外の物は使用禁止であることとイコールであると考えるべきなんだと思います。

そういった意味では、その後の文章「許可されたエアボックス以外は、改造、変更、または追加することは出来ない」、これも重要です。
ここではエアボックスの定義を「エアフィルター、セカンダリインジェクタ含む」としているわけですから、やはりオフィシャルサプライヤ以外の部品は使用できないという解釈になります。



2014年2月27日木曜日

bimotaはWSBK参戦の夢を見れるのか?その2 (WSBK車両公認ルール変更)

このページに直接来た人は、その1がありますので、まず最初にこちらを御覧ください。
bimotaはWSBK参戦の夢を見れるのか?その1 (WSBK車両公認ルール変更)


では、この2014年の新しい車両公認ルールの変更点を見て行きましょう。


まず、従来(2013)のルールの確認ですが



2.1序章の部分には 
アメリカ、EU、日本のどこかで公道走行用の認可を受けた車両である必要がある。車両は上記の普通の店で販売されなければならない。
少なくとも3戦目までに販売が始まらない場合は以降のレースには使用できない
と書いてある。(要約)


 また、別の章には以下のように書かれています


製造者が車両の公認を請求できるのは以下の場合:

・車両公認手順の開始時に、少なくとも125台が生産されていなければならない。車両は一般に販売されていなけねばならない。
・最低でも500台が6/30までに製造されなければならない。
・最低でも1000台がその年の12/31までに製造されなければならない。
・最低でも2000台が次の年の12/31までに製造されなければならない。

とあります。


2014年の車両公認ルールと比較すると、

・製造された車両の販売に関わるルール→撤廃
(もしかすると記述されていないだけかもしれないが…)
・第3戦までに販売が開始されない場合は、そのシーズンに参加できない→撤廃
・車両公認手順の開始時に、少なくとも125台が生産されていなければならない。車両は一般に販売されていなければならない。→125台の変更はないが、販売の条件が撤廃
・最低でも500台が6/30までに製造されなければならない。→撤廃
・最低でも1000台がその年の12/31までに製造されなければならない。→変更なし
・最低でも2000台が次の年の12/31までに製造されなければならない。→撤廃


大きくまとめると、従来は連続した2年間に2000台の製造が義務付けられていたが、それが1年間で1000台に緩和。販売に関する条項が撤廃…

つまり、シーズン途中での生産台数チェックの縛りが無くなっているから、とりあえず125台作っちゃえば、少なくともそのシーズンは参加できるってことですね。
年末までに1000台作れない場合にどうなるのかはわかりませんが…

これは、EBR(エリックビューエルレーシング)の参戦を可能にし、bimotaなどの少数生産メーカーへの門戸を再び開くことになるのでしょう。

また、DUCATIの過去のモデルに合ったような、お金を掛けた限定モデルの登場の可能性も増えると思われます。



bimotaはWSBK参戦の夢を見れるのか?その1 (WSBK車両公認ルール変更)


1/13の朝に突然、bimotaのWSBK参戦のニュースが発表されました。

チームは、昨年1199RSを走らせて良い結果が出なかった、ALSTAREレーシング。
こちらが公式サイトです。
http://alstare.com/page/all_articles/61/

プレスリリースによれば、ライダーは昨年このチームから1199でSBKに参戦したアイルトン・バドビニと、昨年MV AGUSTA F3でSSにParkinGo MV Agusta Corseから参戦していたクリスチャン・イドンの二人。

ParkinGoのスポンサードを受ける予定であるとのこと。

ただ、気になるのは最後の一文

* subject to approval of Homologation by FIM and its members
(FIMとそのメンバーによるホモロゲーションの承認が必要)

と書かれています。


その前に、bimotaのBB3が公認車両になる可能性について考えてみます。


FIMのサイトに行くと、英語とフランス語のみではありますがレギュレーションの原文を確認することが出来ます。
詳しくはこちらの、過去のブログエントリーで…
FIMのレギュレーションを原文で読む

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と、ここまでblogを書きかけて放置してあったのですが、大きな動きがありました。

2014/2/22付けで発表されたプレスリリースですが、WSBKコミッションの過半数の賛成で車両の公認ルールが変更されたとのことです。
原文リンク(PDF)
http://www.fim-live.com/fileadmin/alfresco/2014_FIM_Superbike_World_Championship_-_New_homologation_procedure,_22_February.pdf

ちなみに、現時点で発表されている公認車両リストには、bimotaのBB3は含まれていません。
原文リンク(PDF)

当然のことながら、第1戦のフィリップアイランドには参加していません。


この新しい公認ルールをざっくり翻訳しました。
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FIMスーパーバイク世界選手権

新しいホモロゲーションの手順

FIMは、スーパーバイクコミッション内の過半数によって、新しいホモロゲーション手順が承認されたことを発表します。

これは、オートバイ業界と世界市場の現状を考慮し、公認に必要な条件に関するものです。

新たな規制の主な影響は、生産される車両の合計必要数に関連しています。

・ホモロゲーション手順を開始するための単位の最小台数は125台となる。
・参加の最初の年の終わりには、生産台数が250台に達する必要があります。
・参加の二年目の終わりには、生産台数が1000台に達する必要があります。

スーパーバイクコミッションは、上述のように製造台数の最小数を制御し、競争の公平性を保証するために密接に各メーカーの生産計画に従います。

スーパーバイクコミッションは、WSBK選手権のオーストラリアで開催される初戦のフィリップアイランド戦で、新しいルールや議論をさらなる改良を検討している。

 詳しい説明は、数日中にFIMのウェブサイトで更新される、WSBK技術規則2014の中に含まれています。
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最後の一文で、詳細はWSBKのレギュレーションに書いてあるとありますが、現時点でリリースされているレギュレーションには、車両の公認に関連する事項が一切書かれていません。しかも、表紙がない体裁はドラフトっぽく、改訂版がリリースされることも予告されています。

2014WSBKレギュレーション 初版(PDF)


長くなったので続きます…

2014年1月14日火曜日

DUCATIのレーシングバイクに搭載の可変フォークオフセットの解説(その2)

その1からの続きです。
直接ここに飛んできた人は、まずこちらを先に御覧ください。
DUCATIのレーシングバイクに搭載の可変フォークオフセットの解説(その1)



749Rの様に、偏心カラーでは2箇所にしかフォークオフセットが設定できないのですが、916Racingに採用された可変フォークオフセットシステムは、25~31mmまで連続して可変できる非常に凝った作りになっています。

構成図と構成部品は上記のとおりなのですが、これだけ見てもなんだかわからないですよね。
簡単に説明すると、偏心カラーが2重になっているということなんです。

でもわからないと思うので、もう少しわかりやすい解説を作ってみました。
(自分の理解のために作ったのではありますが…)

6番は、キャスタアングルを変更するようのカセットなので、フォークオフセットの可変には関係ありません。これは、市販の916~999に付いているものと基本的に同じです。

このシステムのキモは8と9番の部品です。
それぞれのパーツが1.5mm偏心しています。

これを組み合わせることによって、25~31mmのオフセットが変更できます。(実際には連続的に変更できますが、細かい調整が必要なので0.5mm単位で調整するように目盛りが用意されています。)

まずは計算上の数値








わかりにくいかもしれませんが、エクセル上で数値のシミュレーションです。

例えば、今フォークオフセットを26mmに合わせたいとします。
上下フォークブラケットは、28mmのオフセットで作ってあります。

ステムシャフト⑨を48.3°回転させます。そうすると前後方向は1.0mmオフセットが少なくなる方向に移動しますが、横にも1.12mmずれてしまいます。なので、オフセットカラー⑧を反対方向に48.3°回転させると、前後方向に更に1.0mm、左右方向はステムシャフト⑨で移動した方向とは反対に1.12mm移動し相殺されます。
トータルで見ると、28mmのオフセットから2mm短くなります。

こうすることによって、フォークオフセットが可変します。下図も参照













フォークオフセットを28mmから増やしたい場合は、反対にすればよいのです。

実際の調整はこんなかんじで行います。



こんな感じで、ご理解いただけましたでしょうか?

ご意見、ご質問などはtwitterでもお気軽にどうぞ
@DUCATI_MANIAX

DUCATIのレーシングバイクに搭載の可変フォークオフセットの解説(その1)

DUCATIの市販レーサー、◯◯Racingとか◯◯RSとかいう名称のバイクには、1997の916Racing以降、1198RSまでに標準装備されています。

これは、トレール変更を狙ったもので、フォークオフセットが25~31mmまで連続的に変化することによって、トレール量が96.6~109.2mmまで変化させることが出来ます。

これはキャスタ角とは異なるもので、フォークオフセットとトレール量の関係は以下の図の通りです。(キャスタ角を変えてもトレール量は変化しますが、今回はとりあえず置いておきます。)

一番簡単なパターンから見ていこうと思いますが、749Rには実は可変オフセット機構がついています。(市販車では変更できないようになっていますが)

916~1198までのDUCATIのスーパーバイクは、すべての車両でフォークオフセットが36mmになっています。
ですが、レースで使用するためには36mmのフォークオフセットはあまり適していません。SBKであれば、ステム周りをまるごと交換してしまうので問題がありませんが、スーパースポーツに参戦していた749Rでは最初からシステムが組み込まれています。



















アンダーブラケット/アッパーブラケットは33mmのオフセットで作ってあり、中のオフセットカラー(上図の赤色)が3mm偏心しています。
この偏心カラーを、前後2ポジションにセットすると、それぞれ 33+3=36mmと 33-3=30mmの両方が選択できるのです。

上図の解説は、キャスタの変更も合わせて書かれているのでちょっと複雑ですが…

ただし、749Rのこの機能はハンドル切れ角も合わせて規制しないとラジエターとか周辺パーツにぶつかるので、市販車の状態では使用できないようになっています。
ステアリングストッパーが別部品なのはそのためです。


その2に続く…
DUCATIのレーシングバイクに搭載の可変フォークオフセットの解説(その2)

2013年11月2日土曜日

欧州2輪排出ガス規制とニューモデルの関係

ツイッタでのつぶやきネタからの昇華ポストです。

昨今のニューモデルの開発は、排ガス規制を無視することはできなくなっています。

なぜかといえば、欧州ではEURO Xという名称で排出ガス規制が行われており、新規制に適合しないモデルは販売できないことになっています。ただし、継続生産に限っては1年の猶予があります。

つまり、排ガス規制のロードマップを見れば欧州におけるニューモデル発表のタイミングがある程度見えてくるわけです。

現在、適応中の規制はEURO3と呼ばれるものでこれが来年2014年からEURO4が始まります。
ですからモデルイヤー14と15はニューモデルラッシュになるわけです。

当然のことながら、新規制を現行規制のモデルのマイナーチェンジで凌ぐ場合もありますが、EURO3の時代が長かったこともあって、このタイミングでニューモデルを投入してくるメーカーも多いと思います。


2輪のニューモデルの発表の場としてピークは、来週から始まるEICMA(いわゆるミラノショー)ですので、この辺りで大体の情勢が見えてくると思われます。


以下は、ドゥカティのニューモデルとEURO規制の一覧です。
こうやってまとめると、ニューモデルの発売サイクルが短いのでイマイチ関連性が感じられませんね :-P



参考までに、EURO規制値と今後のロードマップです。


2013年10月9日水曜日

DUCATIの重量表記について

DUCATIにおける重量の表記について


その前に一般的な話ですが、バイクの重量を表示する上でカタログ等には「乾燥重量」や「装備重量」などという表現がありますが、その内容というか定義についての説明です。

「乾燥重量」や「装備重量」を含む二輪自動車用語ついては、JISにきちんと定義されていて 「JIS D0109 二輪車用語」を紐解くと…


「乾燥重量(乾燥質量):乾燥状態の自動車の質量。」
まぁ、そりゃそうですよね。

装備重量については一般的な用法から、更に細分化されており
「空車質量:空車状態の自動車の質量」と
「全装備質量:空車状態に、製造業者によって準備された追加及び選択の艤装品をすべて装着した自動車の質量とあります。」
空車と全装備の違いがイマイチわからないのですが、ほぼ同じだと思って良いのでしょう。


では、「乾燥状態」と「空車状態」の定義を見てみましょう。

乾燥状態:<前略>~作動液(潤滑油、冷却液、ブレーキ液、バッテリ液など)の全量を含むが、燃料及び混合燃料は含まない

空車状態:乾燥状態に燃料(規定燃料容量の90%以上)及び製造業者によって通常備えられるぎ装品を加えた状態

とあります。
う~~~ん、なんか乾燥状態(乾燥重量)の定義がJISと、バイクメーカーや市中で一般的に理解されている定義との間に違いがあるんですよね。この事実を知った時にちょっとびっくりしました。

wikiなどでも確認しましたが、バイク業界においては一般的に「乾燥重量」といえば汁物が一滴もない状態を指しているわけなんですよね…
何故、こういう乖離が生じてしまったのかは謎です…





では、DUCATIの重量表記について見ていきます。

DUCATIの重量表記は、2004年までと2005年以降で大きく分かれています。


こちらは、2004年のカタログです。
重量の箇所に但し書きがあり、「重量にはバッテリー、油脂類、水冷モデルの場合は冷却液を含みます」とあります。
JISで定義される「乾燥重量」の測定条件ですが、日本では一般的に「半乾燥重量」などと表現されます。

2004年以前はズーッとこの条件での表示だったと思われるのですが、たぶんドカティの中の人が「ヨソのメーカーは液体を含まない重量で表示していて、見劣りがする」ってことになったらしく、2005年以降は表記が改められました。


こちらは、2005年モデルのカタログです。翻訳がおかしいような気がしますが、「(重量は、)バッテリー、潤滑油、水冷式モデルの場合はクーラント、を除く」(勝手に翻訳補正)とあります。

「(すべての液体を含まない、いわゆる)乾燥重量」に改められました。
ついでに言えば、本来バッテリーの電解液だけを含まない条件だと思うのですが、勝手に拡張してバッテリー本体も計測に含まないことになっています。

一方、日本車勢はといえば、同じような時期に「(いわゆる)乾燥重量は、実際の使用状態とかけ離れていて、実態にそぐわず不誠実」という風潮が出てきて、装備重量(≒空車重量)表示に改められたようです。
なんだか皮肉なものです。


以降、DUCATIは(いわゆる)乾燥重量表示のみだったのですが、2012年のカタログ以降は(いわゆる)乾燥重量と装備重量(≒空車重量)を併記するようになっています。
2013年カタログより(1199Panigale tricolore)

写真では切れていますが、「車両重量は、バイクの動作に必要なすべての油脂類と水冷モデルの場合は冷却水を含み、燃料(燃料タンク容量の90%以上)すべてを含む重量(93/93/CE)」と書いてあります。

おそらく、どこかの他所の国でクレームがあったんでしょうね。


※2013/10/09追記

海外メーカーによっては
乾燥重量は dry weight
装備重量(≒空車重量)は kerb weight または curb weight と表示される場合もあります。
参考まで…

2013年9月30日月曜日

1199RS 前後重量配分変更

http://www.moto.it/Superbike/marinelli-ducati-abbiamo-lavorato-sui-pesi-guadagnato-3-decimi.html

MotoGPで、マルケスがペドロサのリア車速センサを断線させた話題で持ちきりですが、WSBKしかもすでに注目度もあまりない1199パニガーレのお話です。

どうやら、先週末のラグナセカから新しい重量配分の車両が使用され、それなりに高評価・好結果であることをまとめておきます。

ビジュアル的には単にシートレールが、トレリスフレームになったようにしか見えませんが…


上記サイトによればシートの下に7リットルの容量を移動し、これによって0.2~0.3秒ほどのタイムが稼げたと。複数のライダーでも、ポジティブな内容が寄せられているとのこと。

市販車レベルのパニガーレで言えば、エンジンを後ろに回転させDUCATIの従来からの問題点であった前後の重量配分を、F52:R48という理想的な配分にしたというのがひとつの売りでしたが、パニガーレのレーサーが後ろに重量物を移動しなければならないというのはなんとも皮肉なものです。

これには幾つか理由があって、市販車では燃料タンク容量が17.0リットルしかありませんが、SBK仕様は24.0リットルですから何処かで容量を稼がないといけません。

SBKは「一応」シルエットフォーミュラですから、側面からのシルエットとエアクリーナーボックスになっている燃料タンクの裏側形状は変更できませんから、横方向に拡張するかシートの下に押しこむしかありません。

ここで、簡単なイラストでそれぞれを比較してみます。
イラストはいずれも、現在公開されている写真からの想像図です。



これは、STD状態。17リットルです。省略していますが、燃料タンクの裏側が凹んでいてエアクリーナーボックス(フレームの内部ですが)の蓋になっています。



これは、RSと呼ばれる市販レーサーの初期型です。
通常はカウルに隠れていて見えませんが、容量の大部分をタンク前方の左右に張り出した部分で稼いでいます。タンク上面の後端形状もだいぶ盛り上がっています。



で、これが今回ラグナセカで走った車両の想像図です。燃料タンクの前半分に線があるのですが、ここから前はダミーではないかと思うのですが、まともな側面写真がなく不明です。
後方は、エキパイと折り重なる様に張り出して容量を稼いでいるようです。


2013年9月5日木曜日

【ガセネタでした。すみません。追記アリ】1199Panigale SPS パニガーレの最強モデル登場か!?




なんか、すごいサイトがキタ!


http://www.1199sps.co.uk/
のURLで、何やら怪しげなティーザーサイトがオープン。

オフィシャルなものなのか、勝手に作られたものなのか、イマイチ判断が付きません。
一応、ドメインをWHOISで調べてみたものの、詳細はわかりませんでした。

表示されるテキストが、えっらい挑戦的でdocomoの「そろそろ反撃してもいいですか」に匹敵しなくもないんだけど…

IN A TIME OF WAR
戦いの時は来た…

WHERE COPYCATS RULE
サル真似のルールは何処へ…

A NEW PROJECT EMERGES
新しいプロジェクトの登場!

IN THE FIGHT FOR DESIGN
戦うためのデザイン(設計)がある

ONLY THE STRONGEST SURVIVE
最強のものだけが生き残る

COMING SOON
カミングスーン


訳がおかしかったら教えて下さい。
現状のSBKでの成績を考えると、かなり無理がある感じが否めません。


文字通り受け取れば、1199SPSが出るってことなんでしょうけど、すでに1199Rが出ているので順番的に違和感があります。
しかし、現状販売されている1199Rは元々1199SPという名称で販売される予定だったと言う情報もありますから、そのへんを鑑みるとなんとも言えません。

このページのソースによれば、カウントダウンは2013/10/01 00:00:00に設定されていますから、約一ヶ月後には何かがわかるのでしょう。
いずれにせよ、これが本物の(オフィシャルな)サイトならば、パニガーレはまだ諦めていないって事でしょうね。


これと関連しているのかわかりませんが、日本でも特別なお客様のリストアップがこっそり進んでいるようではあります。

http://www.roadandtrack.com/go/future-cars/future-car-news/future-car-and-spy-shots-2014-ducati-1199-panigale-rs

もしかすると、すでにスクープされているこの記事と関連するのかもしれません。
このスクープ写真、エキパイがチタンだし腹下のサイレンサ形状も今までに見たこと無い形(レース用でもない)なんですよね。
しかも、カウルはフルカーボン。写真で見る限りチリも良い感じだしカウルのクオリティは高そう。
ホイールは、マグでしょうかね?
フロントフォークがマルゾッキですが、これはダミーかもしれません。



いずれにせよ、10月1日を待つしかないようです。
メールアドレスを登録しておくと、何か情報が配信されるんでしょうかね?



2013/09/13追記

上記サイトが微妙に更新されていて、ツイッタとfacebookのアカウントへのリンクが出来ていました。
https://twitter.com/1199sps
https://www.facebook.com/pages/PROJECT-1199SPS/210560925778712

facebookページの基本データのコメントから検索すると、こんなページに辿り着きました…
http://ducati1199.com/ducati-1199/15117-project-1199sps.html

んまぁ、どう見てもショップor個人レベルのプロジェクトですね。
お騒がせしました。

でも…

2013年6月11日火曜日

【速報】2013 8耐エントリーリスト分析

エントラント向けですが、8耐のエントリーリスト暫定版が出ました。

総エントリー数63台。今年も予選落ちなしです。
4耐がグリッドに対してほぼ2倍のエントリーに比べると、懐かしライダー同窓会の様相を呈している事は否めません。予選落ちがなければ気軽にエントリーできますしね。

エントリーリストの内容は、正式発表まで待つとして(例年であれば7月上旬の合同テスト時に発表)、エントリーした車種と年式、タイヤメーカーだけを集計して見ました。
(単に、ライダーそのものにあまり興味がないだけです…笑)


かなりやっつけでエクセルに入力したので見づらい?ですかね。
データは、それぞれエントリーリスト上の申告によるものです。
間違いはご容赦ください。


台数の多い順に見ていきます。

まず、例年通りの1台勢力はホンダCBR勢の19台。
2012年式が一番多く、使用タイヤはダンロップユーザー11台、BS7台、未定1です。

その次に多いのが、スズキGSX-R1000の12台。
年式は適度に分散しているものの、2009年式が3台も。
タイヤはやはりダンロップが多く8台。ミシュラン2台は、いずれも海外チーム。
最新の2013年式が一番多いモデルになっています。

第3勢力はヤマハYZF-R1 10台と、カワサキZX10-R 10台。
以下、BMW S1000RR 6台、DUCATI 1199Panigale 3台、アプリリアRSV4、KTM RC8各1台となっています。

このあたりは、車両の速さ(ポテンシャルの高さ)とメーカーのマーケッティング戦略なども絡んでいると思われます。


タイヤメーカーは、もう圧倒的にダンロップの34台。全体の50%以上の使用率です。BS15台、ミシュラン7台、ピレリ6台、未定1台になっています。
このあたりは、世界耐久チームがもう少し多いと勢力図が変わってくるのですが、基本的には日本でのタイヤの入手のしやすさに比例していると思われます。(除く、海外組)

今年もタイヤ的な注目は、ブリヂストンvsダンロップですかね?

あとは、4メーカー以外の外車勢の行方でしょうか。
アプリリアは、以前はもう少し台数多かったのですがどうしちゃったのでしょうかね?

取り急ぎ、速報です


2013年5月10日金曜日

DUCATI スーパーバイクの販売台数ヒストリー


http://www.asphaltandrubber.com/oped/ducati-superbike-first-year-sales-analysis/#more-41412



ネタとして賞味期限が切れてますが、せっかくデータ作ってたので公開しておきます…


2013/3/29のアスファルト&ラバーの記事によれば、1199Rのローンチの時にドゥカティが行ったプレゼンテーションで、過去のスーパーバイクモデルの1年目の販売台数とその時の大型スポーツバイクにおけるマーケットシェアのスライドを見せられたとのこと。
(しかし、配布された資料には、このスライドが入っていなかったようですが…)
このグラフは、写真に撮ったものを起こしたものだと思われます。

このグラフを見た時に、「ははぁ~ん、結構恣意的に作られてるなぁ」と思ったわけです。
Twitterのフォロワーさんの反応を見ていると、
・999って案外悪くなかったよね
・1098ってかなり売れたんだね
という意見に集約されると思いますが、このグラフの本来の意図は、
1199Panigaleが、ドゥカティの過去のスーパーバイクの中で飛び抜けて売れているということを言いたいのだと思いますが、そういう反応にはなっていませんねw
全米興行収益みたいに、切り口を変えることで見せ方を工夫しているようです。


※このグラフの見方
赤棒(左軸、単位台):各SBKモデルの初年度売上
灰棒(右軸、単位台):大排気量スポーツバイクマーケットの販売台数
青線(軸なし、%):大排気量スポーツバイクマーケットにおけるシェア

なにが恣意的何かと言うと、まず初年度の販売台数の定義が微妙。ドカティは通常、新しいモデルを10月のEICMA(ミラノショー)で発表して11~12月ぐらい(近年は早まる傾向)からデリバリーが開始されますが、それを含んでいるのかどうかが曖昧。(多分含んでないと思うけど)
でもって、「大排気量スポーツバイクマーケット」の定義がさらに曖昧。
あと、右軸と左軸が10倍になっていて見づらい。というか誤認させやすい。

ちょっと違った切り口の資料があるので、それを見てみます。
各年の生産台数の資料があって、洋書の一部に出ているそれですが、この表をまとめるとなんとなく全体の生産台数が見えてきます。(完璧な資料なのかどうかは、正直不明)
※出典

・Ducati 916 (Haynes Great Bike) Ing. Massimo Bordi
http://www.amazon.co.jp/dp/185960689X
・Standard Catalog Of Ducati Motorcycles 1947-2005 Ian Falloon http://www.amazon.co.jp/dp/0873497147




















このグラフは、上記の資料の数字をまとめたものです。もう一つ出典があったのですが思い出せません。
1996に台数がガクッと落ち込むのは、サプライヤーにお金が払えなくなり事実上の倒産の年だからです。その後、CAGIVAからTPGに買収されて順調に販売を伸ばしていきます。
1999は、996のMONOPOSTO/BIPOSTOが生産されたので増えています。モアパワーが望まれていたのでしょうね。

2000年が少なくなっているのは、748系の生産が多く異常に多くなった分、圧迫された様です。
2002年は、999の生産が始まりSBK自体の生産がピークになっています。
2003/2004は、998S FEとか998/MATRIXとか少数の998モデルがありますが、やっぱり999系の生産は落ち込んでいるのが実際です。




SBKモデル、累計生産台数

















各モデル別、生産台数
















2005年のデータは中途半端で、それ以降のデータは見つからないので掲載していません。
データの正確性については、上記出典に依存しているのでなんとも言えません。

※2013/5/11追記
ちなみに、2000の748と2004年の749の台数を増やしているのは、どちらもRモデルではなく廉価モデルです。
2000年は748Rのデビュー年ですが、この年沢山製造された748は、通称748E(社内名称748Economico)が大半です。
2004年も同様に、749Rのデビュー年になっていますが、こちらも同様に749DARK(日本には正規輸入されていない)が台数を牽引しています。
日本人には中間排気量というのは「ツウの選択」といった感じがありますが、欧米ではいわるゆプアマンズ・スーパーバイクという需要が確実に有り、上位モデルと同じ形で値段が安い(結果的に装備がしょぼい)スーパーバイクが売れるようです。