それはさておき、テレビで8耐を気軽に(と言ってもBSだけど、無料だしね)見れるようになって良かったなと思う反面、去年辺りから気になっていた異変が確信に変わりました。
昨年の10月に突然発表された2016 8耐の参加台数制限と2017年の8耐が世界耐久最終戦になると言う発表。去年辺りから、日本における世界耐久事情が急速に変革してきた感じを受けていました。
結果的に2016年の参加チームは、2015年の8耐決勝での所定の結果を収めたチームに加え、予選レースとも言える8耐トライアウトを受けることによって、参加できるチームを70チームに絞りました。
結果的に2016年の参加チームは、2015年の8耐決勝での所定の結果を収めたチームに加え、予選レースとも言える8耐トライアウトを受けることによって、参加できるチームを70チームに絞りました。
従来から、鈴鹿8耐は世界耐久選手権の一戦で、以前は世界耐久の年間エントリー契約チームは参加が必須でしたが、2009年の景気の悪化以降、参加必須が鈴鹿だけ免除されてきた経緯があります。(この項目は現在も継続中)
世界耐久チームの多くは、耐久好きなフランスをはじめとした欧州のチームが多く、日本までの遠征には負担が大きいために取られた措置でした。
世界耐久チームの多くは、耐久好きなフランスをはじめとした欧州のチームが多く、日本までの遠征には負担が大きいために取られた措置でした。
そのせいも合って、2007年以降は決勝フルグリッドの70台を割っていて、日本一カジュアルな世界選手権と勝手に呼んでいました。
一方で、日本、鈴鹿における耐久レース≒8耐は、日本人的には特別な感情を持って慕われる特別なレースでも合ったわけですが、その雰囲気が一変したなと思うのは去年、2015年辺りからだと思います。
とは言っても、パドックをウロウロしていると例年よりFIMの関係者が多いような気がしていたとか、車検の時にはFIMの関係者からの指摘が増えたことぐらいでしたが、いずれにせよイベント自体に関するFIMの関与が増えてきたんだな―ぐらいにしか思っていませんでした。
とは言っても、パドックをウロウロしていると例年よりFIMの関係者が多いような気がしていたとか、車検の時にはFIMの関係者からの指摘が増えたことぐらいでしたが、いずれにせよイベント自体に関するFIMの関与が増えてきたんだな―ぐらいにしか思っていませんでした。
この答えを、たまたまお土産でもらった今年の8耐プログラムの冒頭で見つけたのが、今回のブログエントリを書くことになった理由です。(よくよく見たら、去年のプログラムにもすでに書かれていたのですが…)
プログラム冒頭には、FIM会長 ヴィト・イポリト氏のごあいさつが書かれているのですが、そこには昨年よりユーロスポーツのテコ入れで選手権のビジュアル面を改善・強化と書かれていました。
今年の放送でも仕切りにユーロスポーツの生中継と言っていましたが、そういうことだったんですねぇ…
確かに、数あるロードレース系の世界選手権の中で、世界耐久選手権は(フランス以外では)一番パッとしない世界耐久選手権なのかもしれません。ここに、FIMとユーロスポーツが目をつけたんでしょう。そう考えると、昨年からの違和感についても合点がいくというものです。
さて、今年2016の鈴鹿8耐にエントリーするためには、昨年の決勝レースで所定の実績を収めているか、他のレース(8耐トライアウト)での上位の成績が必要になった訳ですが、今年のトライアウト導入に至る経緯については、ライディングスポーツの2016年1月号に詳しいです。
要約すると、
・予選が2組になると走行時間が十分に取れない。昔はA、B組の時代も合ったが、今は第3ライダーがあるのでスケジュール的に厳しい。また、一度に走行できる台数はコースのホモロゲーションで75台だが、70に絞れば安全である。
・参加選手のタイム差が大きい
ということらしい。
だが、これには異論があります。
世界選手権年間エントリーチームの鈴鹿参加が免除された2009年以降、エントリチームが少なかったので結果的に予選は1組で済んでいたのですが、2015のストーナー効果によりエントリが増えて2015年からは予選はA・B2組開催に戻っています。
ところが、2015年はエントリーの増加を予測して、事前のレギュレーションで同時走行台数を80台に増やしてしていたのです。(実際にはエントリーが81台になって、A・B組開催になったのですが)
これは、コースのホモロゲーションも無視した変更で、安全性という観点からも問題があります。
2015年 鈴鹿8耐 大会特別規則書より
2014年にそれまでの1組走行の最大になる70台になったのですが、実際この時コース上は結構危険な状態だったのにもかかわらず、それを実現しなかったとはレース進行のために80台に変更しておきながら今更安全性でとか言われても、それが本当の理由だとはちょっと思いにくいです。
また、第3ライダーが増えたのでという理由については、それ以前も補欠ライダーと言う名の第3ライダー走行枠は合ったわけだから、これについてもちょっと疑問です。
確かに、数あるロードレース系の世界選手権の中で、世界耐久選手権は(フランス以外では)一番パッとしない世界耐久選手権なのかもしれません。ここに、FIMとユーロスポーツが目をつけたんでしょう。そう考えると、昨年からの違和感についても合点がいくというものです。
さて、今年2016の鈴鹿8耐にエントリーするためには、昨年の決勝レースで所定の実績を収めているか、他のレース(8耐トライアウト)での上位の成績が必要になった訳ですが、今年のトライアウト導入に至る経緯については、ライディングスポーツの2016年1月号に詳しいです。
要約すると、
・予選が2組になると走行時間が十分に取れない。昔はA、B組の時代も合ったが、今は第3ライダーがあるのでスケジュール的に厳しい。また、一度に走行できる台数はコースのホモロゲーションで75台だが、70に絞れば安全である。
・参加選手のタイム差が大きい
ということらしい。
だが、これには異論があります。
世界選手権年間エントリーチームの鈴鹿参加が免除された2009年以降、エントリチームが少なかったので結果的に予選は1組で済んでいたのですが、2015のストーナー効果によりエントリが増えて2015年からは予選はA・B2組開催に戻っています。
ところが、2015年はエントリーの増加を予測して、事前のレギュレーションで同時走行台数を80台に増やしてしていたのです。(実際にはエントリーが81台になって、A・B組開催になったのですが)
これは、コースのホモロゲーションも無視した変更で、安全性という観点からも問題があります。
2015年 鈴鹿8耐 大会特別規則書より
2014年にそれまでの1組走行の最大になる70台になったのですが、実際この時コース上は結構危険な状態だったのにもかかわらず、それを実現しなかったとはレース進行のために80台に変更しておきながら今更安全性でとか言われても、それが本当の理由だとはちょっと思いにくいです。
また、第3ライダーが増えたのでという理由については、それ以前も補欠ライダーと言う名の第3ライダー走行枠は合ったわけだから、これについてもちょっと疑問です。
参加者のタイム差については、予選はともかく決勝については予選台数以外に上位のライダーの115%のタイムを満たしていないライダーは走れないという大元のルールがあるわけだから、必要に応じてこちらを変更すべきなんじゃないかなと思うんですよね。
いずれにせよ、トライアウトが実施された2016の8耐はそれなりに盛り上がって、記念すべき40回大会の2017年については、世界耐久選手権の最終戦に設定され、有名ライダーの参加も噂され盛り上がるべくして盛り上がるんだろうと思います。
いずれにせよ、トライアウトが実施された2016の8耐はそれなりに盛り上がって、記念すべき40回大会の2017年については、世界耐久選手権の最終戦に設定され、有名ライダーの参加も噂され盛り上がるべくして盛り上がるんだろうと思います。
8耐には2つの側面が合って、興業としてイベントとしてのハチタイ。もう一つは、参加者、特にプライベーターの参加としてのハチタイがあると思います。
ここ10年ぐらいで振り返ってみると、2001-2年あたりまでは割と盛り上がってた感じでしょうか?
GPライダーを始めスターライダーが走ったり、TV番組の企画になったりとしてた辺り(功罪はあるにせよ)。
GPライダーを始めスターライダーが走ったり、TV番組の企画になったりとしてた辺り(功罪はあるにせよ)。
興業としてみた場合、ここ最近の観客動員を分析してみると面白いことが分かりました。
偶然の一致かもしれませんが、決勝日の観客動員数は、エントリーチーム数と概ね比例しているようです。(どうでもいいけど、8耐の観客動員数調べるのは全日本ロードレース選手権のそれを調べるよりはるかに大変でした…)
単に景気の情勢と、エントリーチーム数が連動しているだけなのかも知れませんが、いずれにせよ平均すると1チーム当たり約1000人のお客さんを連れてくるようです。
つまり、エントリー数を限定せず増やしたほうが、観客動員数が増えるんじゃないですかね?
トップチームだけで競技としてのレースは成立するんでしょうが、興業…お祭りとして考えるとそれ以外のプライベートチームのエントリーというのも決して無視できないんじゃないでしょうか?
トップチームだけで競技としてのレースは成立するんでしょうが、興業…お祭りとして考えるとそれ以外のプライベートチームのエントリーというのも決して無視できないんじゃないでしょうか?
来年のハチタイは多分大いに盛り上がるでしょう。
だけどそれ以降、例えばユーロスポーツが手を引いたりしたりした場合どうなるのかは何ともわかりませんが、日本人的なハチタイとしてどうなんでしょうかね?
煽りっぽく書くと、
だけどそれ以降、例えばユーロスポーツが手を引いたりしたりした場合どうなるのかは何ともわかりませんが、日本人的なハチタイとしてどうなんでしょうかね?
煽りっぽく書くと、
「俺たちのハチタイを欧州の商業主義に奪われても良いのか!?」
って感じですかね。
って感じですかね。
以上が今年の感想です。
欧州のバイク市場には多少の効果があると思うけど、日本のバイク市場の活性化には8耐はあんまり影響無さそうなんで、さしあたり奪われるのを傍観するしかなさそうな気配です...
※この投稿をまとめるに当たって、色々調べていくうちに、実は去年からユーロスポーツの関与については各所で記事になっていたものの、単に読んでいないだけでした。
自戒の念を込めて、ここにしたためておきます…
自戒の念を込めて、ここにしたためておきます…
[追記]最後にちょっと補足しておくと
まず、トライアウト制の何が困るかと言うと、単純に参戦コストが増えるだけでなく、スポンサーへの説明が難しく資金の調達が一層むずかしくなるという問題があります。
予選落ちは予選落ちとしても、一応8耐に出たことには変わりがないので、スポンサーさんへの説明が比較的容易ですが、事前に選抜レースがあるということになると話がややこしくなります。
また、参戦コスト的にも非常に大きなものとなってしまいます。耐久レースは、レース自体に掛る直接的なコストよりも、お手伝いしてくれるチームスタッフの人数とかそれに掛かる滞在費・移動費なんかが馬鹿になりません。
ユーロスポーツのテコ入れに関しては、2015年の8耐を見たFIMの人たちはパドックの貧乏臭さと、レースのレベルの開きが気になったんじゃないでしょうか?
結果的に、落ちない予選であるにも関わらず、2分16秒以下チームが5チームと、いつになくレベルが高くまとまった訳で、FIMの意向は成果があったと言えるんでしょう。
あと、主催者推薦枠が従来の4台から11台になったのは鈴鹿サーキット良心だと思います。
それまでの主催者推薦枠は、様々な圧力や横槍にさらされた結果、結局予選タイムの頭取りという機能していない状態になっていましたが、今年の結果を見る限りでは主催者推薦枠が11枠になりちゃんと推薦枠として機能しているようです。
まぁ、鈴鹿サーキット自身が、この優良なコンテンツを行かしきれていないのだから、ガイジンに乗っ取られるのもやむなしなんでしょうかね?
個人的には鈴鹿サーキットには、世界耐久選手権を抜けて、独自の耐久文化を築いてほしいと思ったりするんですが、鈴鹿8耐の歴史を紐解くと、創始者(?)の藤井さんは世界選手権にこだわってたみたいだし、まぁこのままフランス人の舞台になっちゃうのでしょうかねぇ?