MotoGPで、マルケスがペドロサのリア車速センサを断線させた話題で持ちきりですが、WSBKしかもすでに注目度もあまりない1199パニガーレのお話です。
どうやら、先週末のラグナセカから新しい重量配分の車両が使用され、それなりに高評価・好結果であることをまとめておきます。
ビジュアル的には単にシートレールが、トレリスフレームになったようにしか見えませんが…
上記サイトによればシートの下に7リットルの容量を移動し、これによって0.2~0.3秒ほどのタイムが稼げたと。複数のライダーでも、ポジティブな内容が寄せられているとのこと。
市販車レベルのパニガーレで言えば、エンジンを後ろに回転させDUCATIの従来からの問題点であった前後の重量配分を、F52:R48という理想的な配分にしたというのがひとつの売りでしたが、パニガーレのレーサーが後ろに重量物を移動しなければならないというのはなんとも皮肉なものです。
これには幾つか理由があって、市販車では燃料タンク容量が17.0リットルしかありませんが、SBK仕様は24.0リットルですから何処かで容量を稼がないといけません。
SBKは「一応」シルエットフォーミュラですから、側面からのシルエットとエアクリーナーボックスになっている燃料タンクの裏側形状は変更できませんから、横方向に拡張するかシートの下に押しこむしかありません。
ここで、簡単なイラストでそれぞれを比較してみます。
イラストはいずれも、現在公開されている写真からの想像図です。
これは、RSと呼ばれる市販レーサーの初期型です。
通常はカウルに隠れていて見えませんが、容量の大部分をタンク前方の左右に張り出した部分で稼いでいます。タンク上面の後端形状もだいぶ盛り上がっています。
で、これが今回ラグナセカで走った車両の想像図です。燃料タンクの前半分に線があるのですが、ここから前はダミーではないかと思うのですが、まともな側面写真がなく不明です。
後方は、エキパイと折り重なる様に張り出して容量を稼いでいるようです。